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第3作 「男はつらいよ」フーテンの寅 1970年(昭和45年)
日本で大阪万博が開催された年の
正月公開作品。
第3作は35年も昔の映画なんですね。
オープニングのSL走る雪国の宿から風邪で寝込む寅さんと仲居役の悠木千帆(現 樹木希林)のけなげでしんみりした後、柴又の「とらや」へ帰ってきた寅さんにタコ社長が持ってきた縁談の話しが待っていた。
何だかんだ言いながらも寅さんはその話しに乗り、
すぐに見合いをする事に!
笑えるシーンは寅さんが自分の女房観を語るシーンで。
女房になってもらえるならババア以外なら誰でもいいと言いながらも、
自分の願望を熱く語り周りを呆れさせる。
そんな都合の良い女房はこの世にいる訳がないと誰もが思う。
言いたいのは一つ一つの願望ではなく、女房の亭主に対する心遣いなのである。そんな完璧な女房などどこにもいない。しかし心遣いさえ亭主に通じれば、女房の全てを受け入れられるに違いない。
このシーンで言いたいのはそういった事ではないのだろうか。
お見合い当日現れた相手は寅さんが前に仙台で知り合った
お駒(春川ますみ)だった。
しかも相手は亭主持ちでお腹の中に子供までいる。
お駒から色々と事情を聞くと、亭主に女ができて家を出てしまい、
その腹いせに誰でもいいから見合いをしようと思ったらしい。
それを聞いた寅さんはお駒を放ってはおけず、その日の内に亭主を捜し出して話をつけ、二人の縁りを戻してやったのである。
しかしそこまでは良かったのだが、その夜二人の為に「とらや」で盛大にお祝いをしてやり、
最後はハイヤーまで呼んで二人を熱海まで送ってやった。
もちろん支払いは全て「とらや」への請求である。
これにはおいちゃんとおばちゃんは大激怒。
「なぜ他人にそこまでしてやらなきゃいけないのか」と寅さんに食って掛かるものの、寅さんにその様な理屈が通じるはずがない。
一部始終を見ていた博が頭にきて我慢できなくなり、
寅さんと喧嘩になってしまう。口では威勢が良かった寅さんだが、
博にぶん殴られてあっけなく負けてしまう。
博が初めて寅さんを殴ったうえに一本背負いまでしちゃうんですね。
気まずくなった寅さんは次の日旅に出てしまった。
一ヶ月後、おいちゃんとおばちゃんが旅行に出かけたところ、
旅行先の湯の山温泉(ロケ地三重県四日市市)の旅館「もみじ荘」で寅さんとばったり会った。
寅さんは「もみじ荘」で番頭をやっていたのである。
文無しの時に腹を壊し便所を借りたのがきっかけで宿に泊めてもらい、
いつのまにか番頭として居ついてしまったらしい。
居つく理由は単純である!!!
寅さんは「もみじ荘」の独身の女将・お志津(新珠三千代)に
惚れているからである。
「もみじ荘」で働く女中の染奴(香山美子)には病気で働けない
父親がいる。染奴はお志津の弟の信夫と恋仲にあったが、
父親を食べさせる為には妾になるしかないと覚悟を決めていた。
寅さんが二人の仲を取り持って東京に駈け落ちさせる事になるが、
同時にこれは旅館の跡取り息子がいなくなる事を意味する。
結局この事が切っ掛けとなり、お志津は女手一つでやってきた旅館を手放す決心がつき、自らも以前から付き合いのある
大学教授・吉井氏の元へ嫁ぐ事となった。
何も知らない寅さんは風邪を引いて寝込み、
寝言で『お志津さん・・・』などと言ってしまう始末。
しかし旅館の女中がお志津の事を寅さんに話すと、
寅さんは大変なショックを受けてしまった。
そして寅さんは別れの一言を残し、「もみじ荘」を後にする結末となる。
もみじ荘へ住み着いた寅さんが客への余興で見せる
股旅芝居にしても、染奴の父親(花沢徳衛)を相手に
仁義をきるその口上の口跡の良さにしても、
渥美清という俳優の素晴らしさ、底の深さを味わえます。
結局お志津さんには想い想われる大学の先生がいて、
寅さんは身を引いて去ってゆくのですが、
そのシーンより強い泣かせどころがその後の69年大晦日から
70年元旦を迎えた時の「とらや」の茶の間で待っています。
寅さんが映るTVを食入るように見つめる「さくら」の涙。
寅さんの「渡世」のせつなさが全開です。
この作品には暴力的なシーンが二つある。
一つ目は博と寅さんの喧嘩である。
このシーンでは博が寅さんを殴った挙句に投げ飛ばし、
さらに起き上がろうする寅さんを押さえつける。
「男はつらいよ」の全作品の中でここまで人を痛めつけるシーンがある作品は私の知る限りこの作品だけの様な気がする。
もう一つはマドンナの弟・信夫と寅さんの喧嘩のシーンである。
橋の上で喧嘩を始める二人だが、寅さんが仁義をきっている最中に
信夫がいきなりナイフを取り出す。
このシーンを見ると何かルール違反をしている様な気になります。
第3作はマドンナが「とらや」に登場しない作品である。
そして最後に寅さんが旅に出るシーンも柴又からではなく
旅先からである。
そのせいか全体のストーリーが完全に連携してない様な印象を受ける
この作品は監督が山田洋次ではなく森崎東 脚本に山田洋次 、
監督が違うだけでこんなにも違うのであろうか?
少し寂しさを感じる作品である。
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