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「男はつらいよ」全48作を完全制覇への道!!
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第9作 柴又慕情  1972年(昭和47年)

09.jpg
<冒頭の夢>

とある漁村で貧しい生活をしている夫婦
(博とさくら)のところへ借金取り達
(坂東鶴八郎一家)がやってきた。
金を返せないのならと、家の布団まで持って行こうとする。そこへ現れた車寅次郎!
「無駄な人殺しはしたくはございません。もし、
金で済む事でしたら、こんなもんで足りますでしょうか」そう言いながら札束を放り投げる。
そして夫婦にも札束を渡し、「その坊やに飴玉の一つも買ってやっておくんなさい」と言い残し、その場を去ろうとする・・・・・
「お客さん、乗りますか?」
田舎の駅でうたた寝をしてる寅さんが駅員の声で目を醒ます。 

家を建てる計画をしている博とさくらに少しでも金を工面してやろうと、
おいちゃん(松村達雄・ニ代目おいちゃん)が寅さんの部屋を貸し部屋にする事にした。そして「とらや」の入口に「貸間あり」の札をぶら下げたのである。ちょうどそこへ寅さんが帰ってきた。「とらや」に入るなりその札が目に入った寅さんは、何も言わずに怒って柴又駅の方に行ってしまった。さくらが慌てて追いかけたが、寅さんは文句を言いながらどこかに行ってしまった。怒った寅さんは一人暮しをするつもりで安い部屋を探して不動産屋を回った。ある不動産で安い下宿があると言われ、車で連れてきてもらった部屋が「とらやの貸部屋」だった。「とらや」の家族に優しい言葉を掛けられた寅さんは、渋々中に入った。不動産屋のおやじが「話しがまとまったのなら手数料の6000円をよこせ」と言い出した。自分の家に帰ってきたつもりの寅さんは怒って不動産屋と喧嘩になったが、結局その金は博が払う事になった。夜、寅さんの部屋を貸す件で寅さんとおいちゃん達は言い合いになった。博とさくらが家を建てたいという話にも散々ケチをつけ、最後はさくらを泣かせてしまった。気まずくなった寅さんは、おばちゃんに「今日の6000円と後は博たちにやってくれ」とお金を渡し、柴又を後にした。

北陸を旅する寅さんは金沢に立ち寄った。
そして金沢で泊まった宿の階段で偶然舎弟の登(津坂匡章)
と再会し、どんちゃん騒ぎ!!
同じ宿には東京から観光に来た歌子(マドンナ・吉永小百合)
緑、真理の三人連れが泊まっていた。
登と再会した寅さんが酒を飲みながら「チンガラホケキョーの唄」を
歌うシーンがある。歌子達が部屋で話をしているシーンで
寅さんの歌声だけがかすかに聞こえる。
(気をつけて聞かないと聞き逃すぐらいかすかに聞こえる)
♪一、ニ~の三、浅草の~、ほらチンガラホ~ケキョーの帰り道~
でこ坊よぉ~、帰ろうよ~、男な~ら我慢しな、フウフフ~ン

もしかしたらこの歌はこの作品の為に作られたのだろうか?
いや、その前にこの歌は元々渥美清さんの持ち歌なのだろうか?

朝起きると手紙を残し登がさきに宿を出ていた。

金沢から福井県に移動した寅さんが「みそでんがく」の店で
休憩していると、そこへ金沢の宿にいた三人連れが偶然やってきた。
店の中で歌子達が寅さんにぶつかった事が切っ掛けとなり、いっしょに記念写真を撮ったりし、寅さんと歌子達はすかっり仲良くなってしまった。

しばらくして寅さんが柴又に帰ってきた。
タイミング良く、歌子の友達の緑と真理も寅さんを訪ねて柴又にやってきて偶然にも寅さんと再会する。
福井の「みそでんがく」の店で30年も帰ってないとでまかせを言ったもんだから、緑と真理が「とらや」を探し寅さんを連れていき、後に引けない寅さんは、おいちゃんとおばちゃん相手に一芝居!しまいには、おいちゃんに「バカ!いいかんげんにしろ!」と怒られろ寅さん。
緑と真理の二人は涙の再会と思いきや大笑い!

二人から話を色々と聞いている内に、寅さんは歌子の事が気にかかるようになった。と言うより福井で会った時から既に気があった様ではあるが・・・。 歌子は小説家の父親(宮口精二)と二人暮らしである。母親は歌子が小さい時に蒸発しており、歌子は不幸な家庭環境で育ったのである。今は父親の身の回りの世話は歌子の仕事となっている。その歌子が次の日一人で「とらや」にやってきた。寅さんは緊張しながらも大喜びし、家族一同で歌子を歓迎した。

歌子も一緒にお昼御飯を食べ、博の好物が「焼き茄子」で、
「鮪の刺身やビフテキより焼き茄子がいい」と博が言い、
さくらがこれに対して「貧乏暮らしの"地"が出ちゃうのね」と言う。
このセリフに対して寅さんは歌子の前で「食事の最中に"痔"の話するなよ」と真剣に怒り出す。「地」と「痔」を間違えた訳であるが、この勘違いで場の雰囲気が完全に壊れるところが面白い。
その後、寅さんの恋の話になり歌子が
「どうして寅さん結婚しないの?」・・・・
その答えに困っておどおどする寅さん!
それを見ていた「とらや」一同大爆笑(^^)

歌子には結婚を考えている男がいる。
一旦は諦めたものの、どうしても諦めきれずに父親に相談するが、
父親は反対して全く相談に乗ってくれない。
歌子は自分が結婚してしまうと父親が一人になるという不安がある為、強引に押し切る事ができないのであった。
困り果てた歌子はニ、三日家を出るつもりで再び「とらや」を訪れた。
一晩「とらや」に泊まり、翌日、博とさくらのアパートへ結婚についての相談に出掛けた。その結果歌子は結婚を決意する事にした。
 
何も知らない寅さんは、意気揚揚としてさくらのアパートまで歌子を迎えに行く。そして帰り道、歌子は寅さんに結婚を決意した事を話した。それを聞いた寅さんは、口では良かったと言いながら顔を下に向け、ぐっと涙を堪えるのであった。
 
歌子は結婚を決意するまでの気持ちの変化を寅さんに淡々と語り、最後は涙を流して結婚に対する覚悟を表現している。

第9作は終盤での寅さんの別れのシーンがない。
歌子が結婚する事を知った寅さんは落ち込んでしまい、
その後旅に出る。
旅に出る前、江戸川土手でさくらに語るシーンがある。
さくらが「寂しいの?」「どうして俺が寂しいのよ」と寅さん
「じゃどうして旅に出ていちゃうの?」そして寅さんが
「ほら見な、あんな雲になりてんだよ」
どんな雲なんだろう?と想像してしまう。風の吹くままに流される雲なのだろうと思うが見る限りでは、雲は映ってない。
人間だれしも辛い事や嫌な事があれば現実から目を離したくなる。
何もする気がなくただぶらっと旅に出たくなったりとか、そんな事も含め
何かとても深い意味のあるセリフの様な気がする・・・・・

追伸
前作までの「おいちゃん役」の森川信さんが亡くなり、
「二代目おいちゃん役」が松村達雄さんに代わり前作までの「とらや」
とはまた一味違う一家団欒が見られる。

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